2012年9月2日日曜日

12/13シーズン新加入の選手達のご紹介


さて、ついにメルカートも終わり、新戦力が確定する事になりました。



ようやくじっくり自分達の戦力を把握して色々な事を考えられるので、楽しみになってきましたね。

出会いがあれば別れがある。
まさに12/13の移籍市場はローマにとっても多くの入れ替わりがありました。
ではトップチームに加入した新戦力をおさらいしてみましょう。


※ここで数多くの選手の特徴を述べていますが、
 プレースタイル、特徴というのはあくまで主観的なものです。
 新加入の選手という事で、少しずつスタイルが変わってくる可能性があります。

 私個人の考えと、様々なデータ資料などを照らし合わせた上での現時点の特徴です。
 あらかじめご了承ください。
 



新加入の選手一覧(トップチーム入りのみ)



GK未 マウロ・ゴイゴエチェア(24)
GK55 トーマス・スヴェドカウスカス(18) 

DF 3 マルキーニョス(18) CB 
DF 5 レアンドロ・カスタン(25)CB

DF46 アレッシオ・ロマニョーリ(17)CB ※プリマより昇格
DF23 イバン・ピリス(23)SB
DF28 ドド(20)SB
DF42 フェデリコ・バルザレッティ(30)SB

MF4  マイケル・ブラッドリー(25)CMF、DMF 
MF47 ジョナタン・ルッカ(18)CMF 

MF48 アレッサンドロ・フロレンツィ(21)CMF ※レンタル先より帰還
MF77 パナギオティス・タクシディス(21)CMF


FW17 ニコラス・ロペス(18)ST ※プリマより昇格
FW22 マッティア・デストロ(21)CF


GK編

育成枠兼セカンドキーパー以下の刷新に取りかかったと言える補強。

そこでなんとGKの構想枠が3人で埋まっていた所、4人となってしまうという現状。
セカンドキーパー、サードキーパー枠を争う形になると予想されていた今回の補強。


一見リザーブの充実を図った補強に見えるのですが、
8月31日に前々から噂されていた、ウルグアイ人GKゴイゴエチェアを獲得しました。

一時期はゼーマンからの評価が低いとされていた

ファーストキーパーのマールテン・ステケレンブルフの放出が噂されていましたが、
デットラインデー(プレミア移籍市場)が終わった事により、おそらく残留が濃厚。

しかし4人目のGkの獲得、ゼーマンの評価が低い、これらの事を考え、裏を返せば


ファーストキーパーのマールテン・スケレンブルフの地位にも注目されるでしょう




GK

トーマス・スヴェド・カウスカス
Tomas Svedkauskas
(背番号55/リトアニア/18歳)

前所属・FK Suduva(リトアニア)
昨期プレー・フィオレンティーナプリマヴェーラ



スヴェド・カウスカス


















U-19リトアニア代表のGK。
12/13はローマプリマヴェーラでの正ゴールキーパーを兼任して務める。


特徴


  • 固定して、ゴール内に陣取る形のプレースタイル
  • 反応速度に長ける
  • 手の伸縮性が非常に良い





マウロ・ゴイコエチェア
Mauro Goicoechea
9月1日現在(背番号未定/ウルグアイ/24歳)

前所属・Danubio F.C.(ウルグアイ)


ゴイコエチェア





















U-17、U-20ウルグアイ代表GKの経験を持つ。
ゼーマン個人が昨季ペスカーラ時代から注目を置いていた選手。

特徴



  • ゴール前衛でのプレースタイル
  • 足元よりも手元が上手い
  • スローインが非常に上手い




◎DF編


今季一番様変わりしたポジションだと言えるでしょう。

トップチームに加入した選手の内7人中6人はなんと全て新加入の選手

そして面白い事に獲得したDFの選手の中の、「6人中4人は南米の選手」。


更に昨シーズン怪我で戦線を離脱していたニコラス・ブルディッソを加え、7人という事なので、実は昨季に活躍していたDFの選手は一人もいないという現状になっています。

つまり事実上今季のDF7人は昨シーズンを経験していない人間7人で構成されています。



この点、DFラインの統制ができるかは既存の選手であったニコラス・ブルディッソ
のライン統率力なども大きくかかってきそうです。



更にその中の「4人中3人はブラジル人の選手」なのです。


「そんなにブラジル人や南米人ばかり取っても大丈夫なのか?」

ローマというクラブは長い歴史を見て、多くの南米人DFを獲得し、特にブラジル人DFというのは全体的にかなり信頼できるレベルでの活躍をするというジンクスが有ります。

個人的にそのジンクスを信じる私にとって、この3人の新加入のブラジル人DFというのは今季加入の注目する選手と言っても過言ではないかもしれません。



更にはEURO2012でイタリア代表として攻守共々に活躍した、バルザレッティの加入。
プリマヴェーラ上がりの超大型新人の加入など、イタリア人DF2人の加入も行われました。


CB

マルキーニョス 

Marcos Aoas Correa (Marquinhos)
(背番号3/ブラジル/18歳)

前所属・コリンチャンス


マルキーニョス




















ゼーマン本人が獲得を望んだと言われる名門コリンチャンスから加入した、若きCB。
ブラジルU-17ではキャプテンを務めていたなどの経歴を持つ。



特徴



  • 危険察知型のCB
  • 相手方のドリブルスペースやボールコントロールスペースでボールを奪う上手さ
  • 自陣ペナルティエリア内における、スライディングによるディフェンスの上手さ
  • フィード性能が非常に高い(ゼーマンのお墨付き)



レアンドロ・カスタン
Leandro Castán da Silva
(背番号5/ブラジル/25)

前所属・コリンチャンス


レアンドロ・カスタン



















昨季リベルタドーレス優勝のコリンチャンス レギュラーCB。
ローマが昨冬から、獲得を視野に入れて交渉を行っていた選手でもある。


特徴



  • ヘッダー
  • パス精度が高いが故のビルドアップ能力が非常に高い
  • ボールスペースを狙った、ボールインターセプトに定評がある




アレッシオ・ロマニョーリ
Alessio Romagnoli
(背番号46/イタリア/17歳)

前所属・ローマプリマヴェーラ


ロマニョーリ



















U-19イタリア代表。リマヴェーラから昇格してきた、年齢わずか17歳のCB。
現在17歳という年齢にも関わらず、ローマプリマには既に所属をしていない。
今季ゼーマンの就任と共に完全なトップチーム入りを果たした。(兼任無し)
現地の評価は「イタリアの次世代を担う守備の要人」とまでの絶賛ぶりである。



特徴


  • 万能型CB
  • ボールスペースを意識したディフェンス
  • 攻撃参加が非常に上手い
  • 能力値は未知数





イバン・ピリス
Iván Rodrigo Piris Leguizamón
(背番号23/パラグアイ/23歳)

前所属・サンパウロFC



イバン・ピリス


















パラグアイ代表。ブラジルの名門サンパウロFCから加入したRSB。

セビージャとの競合の末、獲得した選手である。


特徴



  • 実は攻撃型というより、守備寄りのバランス型SB
  • ゲームの流れを読むのが非常に上手い
  • タッチライン上における上下運動に長ける
  
  ※8月29日、自身の投稿より引用





ドド
José Rodolfo Pires Ribeiro
(背番号26/ブラジル/20歳)

前所属・コリンチャンス




ドド


















またもやコリンチャンスから獲得した右SBの選手。
こちらもレアンドロ・カスタン同様に 冬頃からフロントは獲得を視野に入れていた選手。
今夏はFAで移籍、そして現在は足の怪我により戦列を離れている。


特徴



  • 攻撃型のSB
  • ドリブルで縦の突破を武器とする
  • ペナルティエリア内への侵入が得意




フェデリコ・バルザレッティ
 Federico Balzaretti
(背番号42/イタリア/30歳)

前所属・USチッタ・ディ・パレルモ

バルザレッティ



















イタリア代表。EURO2012でも主に左SBとして多くの攻撃と守備に貢献。
即戦力のSBを欲していたローマにとってはまさに救世主のような選手。
PSG行きや、ナポリ行きの噂もされていたが、ローマを最終的に選び、獲得。
実力・名声共に申し分の無い選手である。


特徴



  • THEバランス型SB
  • クロス精度が高い
  • ゲームの流れを読むのが非常に上手い
  • 豊富な運動量


 ※8月29日、自身の投稿より引用




◎MF編


中盤の層は全体的に見て若返りを敢行。
全体的にレギュラーの戦力は変わらなかったが、即戦力となる選手やレンタルでセリエBで修行を重ねた選手、同じくBで兆進して活躍をした選手たちを補強。

様々な状況を想定して戦えるようなバランスの良い戦力が集まった。


MF


マイケル・ブラッドリー

Michael Bradley
(背番号4/アメリカ/25歳)

前所属・ACキエーヴォ・ヴェローナ



ブラッドリー




















アメリカ代表。昨季のローマは中盤にフィジカル、守備のフィルターの役割をこなせる
選手が求められる展開が数多にあった事により、その適任者として獲得。
昨季よりアメリカ資本が流れてきたローマにとっては、アメリカ市場へのマーケティング戦略を見据えた選手獲得という見方もされる。(悪い意味ではない)



特徴


  • スタミナ量と運動量の豊富さ
  • 縦への推進力が非常に有る
  • フィジカルと当たりの強さ
  • ペナルティエリアへの侵入が上手い




ジョナタン・ルッカ
Jonatan Lucca
(背番号47/ブラジル/18歳)

前所属・SCインテルナシオナル


ルッカ



















ブラジル、インテルナシオナルから加入した選手。
現在は主にローマプリマヴェーラを兼任して所属している。
主戦場はローマプリマヴェーラがメインである。


特徴


  • 戦術把握に長ける選手
  • チェイスが非常に上手い
  • センターサークル内での動きに安定感がある



アレッサンドロ・フロレンツィ
Alessandro Florenzi
(背番号48/イタリア/21歳)

前所属・ローマプリマヴェーラ
昨季プレー・FCクロトーネ

フロレンツィ



















U-21イタリア代表。ローマプリマヴェーラ出身の選手。
ローン移籍から帰還し、一回り大きくなってきた期待のCMF。
昨季セリエBのクロトーネでは、得点アシストと共に成果を出し大活躍をした。

今シーズンはプレシーズンマッチのリヴァプール戦でも起用され、得点。
更にはU-21イタリア対オランダの試合でも得点。
その実力によりゼーマンの信頼を勝ち取りつつある選手である。


特徴


  • 万能型のCMF
  • グラウンダーによる正確なパス精度
  • 飛び出しなどを含め、縦への推進力が全体的に高い
  • FK精度、クロス精度が非常に高く、セットプレーが得意



パナギオティス・タクシディス
Panagiotis Tachtsidis
(背番号77/ギリシャ/21歳)

前所属・ジェノアCFC
昨季プレー・エラスヴェローナFC

タクシディス



















U-21ギリシャ代表。ジェノアより保有権の半分を所得し、今季ローマが確保した選手。
セリエBのエラスヴェローナで昨季は活躍をした。
この選手はゼーマン本人が注目していた選手でもあるが
数多くの獲得した選手の中でも、特別熱望して獲得を望んだ選手である。


特徴


  • 攻撃型のCMF
  • フィジカルの強さは特筆して長けている
  • 正確なロングフィード能力
  • 視野が非常に広い
  • MFでは珍しい191㎝という高さの選手である



◎FW編

前線は1番手、2番手、3番手の選手を固定しつつ4番手、5番手、6番手の選手の入れ替えが
非常に激しいメルカートとなった。

CFに需要のあったメルカート全体の動きの中で
オスバルドの残留を始め、イタリア代表CF マッティア・デストロ の獲得は評価に値する。

しかし同時にボリーニ・ボージャンを始めとする若手の有望株を大量に放出。

特にこの前線に関してはゼーマンの構想に有った選手が着実に反映される事になった。



FW

ニコラス・ロペス
Nicolás López
(背番号17/ウルグアイ/18歳)

前所属・トップチーム兼ローマプリマヴェーラ

ニコロペ


















昨シーズンはトップチームとプリマヴェーラを兼任。
才能に恵まれていたものの、L・エンリケの中では構想外の選手であった。
ゼーマン就任と共に、プリマヴェーラからトップチームへの完全な昇格を果たす。
ゼーマンからの信頼もプレシーズンの出場機会から見ても厚いと言える。

第一節のカターニア戦では後半からトッティと交代。
ロスタイム終了間際にA代表初の得点を挙げ、早速実力を証明した。


特徴

  • テクニック型のST
  • ポジショニングによる、ゴール嗅覚に優れている
  • 足元が特筆して非常に上手い(トリッキー)
  • シュートコースを狙うのが上手い
  • 華奢な身体つき




マッティア・デストロ
Mattia Destro
(背番号22/イタリア/21歳)

前所属・ジェノアCFC、ACシエナ
昨季プレー・ACシエナ

デストロ



















イタリア代表。保有権問題の柵を何とか乗り越え、ようやく獲得できた選手。
昨シーズンはシエナで12得点を決め、昨季じゃ着実にAでも結果を出した。

残念ながらEURO2012では惜しいところで選手にはならなかったが、
近い将来イタリアの前線の将来を担う前線の選手であり、非常に大きく期待させている。


特徴


  • 万能型のCF
  • ポジショニングによる、ゴール嗅覚に優れている
  • 決定力が非常に高い
  • 若干ながら足元に器用さを備えている




総評


全体的に前線から中盤にかけての補強は合格点だと言えるだろう。
メルカート前半に主戦力の補強をほとんど終え、チーム着手と戦術浸透を早急に行いたいという考えがメルカート終了と同時に伺えた結果であった。

対して不満点を述べるのであれば、CBとSBの補強に関してと言える。

ゼーマンは若手好きという事でも有名ではあるが、
セリエAというリーグに立ち向かう上で、即戦力・経験値の多い選手を多く獲得しなかった。

それらを踏まえた上での、CBとSBの追加獲得をより多くのロマニスタ、ティフォージは望んだが実現にしなかった事に関しては残念だと言えるだろう。

守備面では不安の残る結果として終わったメルカートとなったが、前線・中盤はクオリティの高いものとなっただろう。

しかしコリエレ・デッロ・スポルト紙が発表した
セリエA全体でのローマの補強採点は評価点「7.5」
「7.5」という点数は同じく「7.5」を得点したフィオレンティーナと同点数で
セリエAのクラブの中では最高点の評価となった。




若手に比重が圧し掛かるシーズンとなるのは昨季よりも大きいものと言っても過言ではない。
だが、ゼーマン自身の色も非常に強くなってきたチームに仕上がったと言っても良いだろうと思う。


個人的には冬のメルカートでDFの補強、DMFの補強をしっかりと進めて欲しいと考える。


「殴り合いで勝ちに行こうじゃないか」
結果的にそんな気合の伺える戦力補強だったと思います。