2015年7月31日金曜日

15/16シーズン ☆☆ASローマ補強 第二弾 GK ヴォイチェフ・シュチェスニー★★


オーストラリア→インドネシアでの興業遠征を終え、チームは無事イタリアへ戻って来ました。

各チームが新加入の選手を加え、シーズン開幕に向けてチーム造りに勤しむ中、ローマの移籍市場の動向としては、
7月29日現在までで新規で獲得した選手1人だけというお世辞にも補強が順調とは言えない事態を招いていました。

さてそんな中、ようやく今夏の補強第二弾となる選手が新加入として加わる事になりました。


□ASローマ15/16シーズン夏の補強

☆ ヴォイチェフ・スチェスニー ★

アーセナル時代



























●選手詳細

・国籍    ポーランド

・出生    ワルシャワ

・生年月日 1990年4月18日(25歳)

・前所属先 アーセナルFC(イングランド1部)

・起用箇所 ゴールキーパー

・利き足   右足


●昨ーズンの成績

・プレミアリーグ

出場数:17試合/失点数:21点/CS達成試合数:3試合

・FAカップ

出場数:5試合/失点数:4点/CS達成試合数:2試合

・チャンピオンズリーグ

出場数:6試合/失点数:6点/CS達成試合数:3試合

・コミュニティーシールド

出場数:1試合/失点数:0点/CS達成試合数:1試合

・シーズン総スタッツ

出場数:29試合/失点数:31点/CS達成試合数:9試合


●選手の特徴

・空中戦、キャッチング、パンチングを得意とする

・足元の上手さから出される正確なフィード


●契約詳細

・アーセナルFCより、1年間のレンタル移籍で獲得(契約期間:2016年6月30日まで)

・買取りオプション無し



□これからローマで求められる事
契約前 トリゴリア内オフィスにて


















~迫るGK世代交代問題・安定したGK体制の確立を目指して~

現在25歳という若さでありながら、プレミアリーグでは4シーズンの間、正GKとしてその座を任されていました。
昨季の後半は喫煙問題などのスキャンダルの影響で出場機会数が限られたものとなっていたそうです。
そして今夏、ペトロ・チェフがアーセナルへ移籍をした事による玉突きでの移動となりました。

現在ローマではGKの高齢化問題が懸念問題となっています。

2シーズン連続で絶対的な活躍をしているモルガン・デサンクティスは、年齢による体力的な問題、そしていつ落ちるか分からないパフォーマンスが不安視される立場にあります。

昨季は(モルガン・デサンクティス / ボグダン・ロボンツ / ルーカス・スコルプスキー/ )
三人体制でシーズンを戦おうとしていましたが、大きな舞台で経験を積んだ事のないスコルプスキーはまだまだ役不足という結果に終わってしまい、高齢のデサンクティスとロボンツに大きな負荷をかける結果となってしまいました。

そこでローマは昨季のマーケットより、数シーズンに渡ってGKに立場を任せる事のできる人材探しに徹していました。

今となってはペトロ・チェフはアーセナルへ移籍をしてしまいましたが、夏のマーケットが始まる前までは、ローマも彼を獲得の第一候補として考えていました。

結果的に押し出される形でシュチェスニーを獲得する事になりましたが、ローマとしては欧州カップ戦とリーグ戦のどちらを二足の草鞋に対応する為に、経験あるGKの獲得が必要視されていました。



□シュチェスニーへ期待できる事とは何か?


ジムキャリー主演の映画「YES MAN」の表紙にそっくりである

















個人的な見解になりますが、私は3つのポイントにあると思っています

  1.  経験
イングランドと欧州カップ戦を、4シーズンの間、アーセナルの正GKとして任せられて戦い抜いた実績と経験は大変貴重なものだという事

   2.  年齢

GKで25歳という年齢は若いという事。
買取りオプションは付いていないものの、年齢から考慮するとポテンシャルは非常に高い。
今後の活躍では後継者と成り得る"かも"しれない存在になれる可能性があるという事。

(無論、今季の活躍次第では買取りに動くと考えられる)

 3.  国籍・成長環境 

左ロボンツ、真ん中デサンクティス、右スコルプスキー

























個人的にはここが一番、シュチェスニーにとってローマで成功できそうな匂いを感じる部分である。

ローマにとってもシュチェスニーを育成していくには容易な環境だという事。

デサンクティスは言うまでも無く、イタリアGK界のレジェンドの一人。
数多くの経験とイタリアでGKをやっていく術を全て知っている人物である。
そして彼もまた気さくでユーモアが有り、英語も堪能に使う事ができる。


現在サードGKのロボンツは、シュチェスニーと同じ東欧圏のルーマニア出身。
英語以外にも様々な言葉を扱う事ができ、そして面倒見も大変良い選手である。
いつも他の国からやってきたGKのコミュニケーションの疎通を担当するのは、自然と彼である。
昨季ローマでセカンドGKとして経験を積んだ、スコルプスキーは今季エンポリへレンタル移籍。
しかしシュチェスニーと同じポーランド人であり、年齢も2歳差しか離れていない。
今季ローマで仕事をする事は無いとは思うが、同胞としてイタリアでの生活を必ず助けてくれる存在になるのは間違いないという事。
更に現在第3GKとして、チームに帯同している トーマス・スヴェドカウスカスも、同じく東欧圏内であるリトアニア出身のGKで、年齢も現在22歳と近い年齢にある。(2015年8月3日現在移籍済み)
更に更に、現在ローマプリマヴェーラよりプレシーズンのキャンプに帯同している、ロヌト・ポップも同じく東欧圏ルーマニア出身のGKである。


実はローマの抱えるGKは東欧出身でその殆どが現在構成されているのである。
これはとてもイタリアという地で生活していく上で、とてもとても大きな事になる。


以上の3点がシュチェスニーがローマにやってくる際に、私が彼に(期待を寄せれる)魅力を感じるポイントである。


□選手会見

7月30日 トリゴリア内のメディア対応室にてシュチェスニーの記者会見が行われました。
やはり他国から来たGKにとって、言語の問題は重要な問題になってきてます。
その話題を中心にシュチェスニーは語っています。

ローマのポロシャツを身につけ、笑顔で語るシュチェスニー


















「言葉はチームメイトと意志疎通をとる為に、重要なものになるよ。
 僕は可能な限り、いち早くイタリア語を学ばなければならないね。」

「僕はチームメイトと共に強固な関係を構築したいと願っている。

 そして僕達は素晴らしいシーズンを過ごす関係を持つ事ができるよ。」

「デサンクティスとは英語を使って話をしている。彼は僕を助けてくれている。
 彼は本当に偉大なGKだ。僕は彼と素晴らしい競争ができる事を願っているよ。」


「全てのサッカー選手は試合に出る事を求めている。
 僕は学ぶ為、そして試合に勝って、チームを助ける事為に今ここにいる。」


「僕はローマのような熱いサポーターのように、サッカーを愛している。
 イメージは持っているよ。彼等のようなサポーターと共に良い関係を保っていく為のね。」


「僕をベストに使う為には、ルディ・ガルシア監督、デサンクティス次第だと思っているよ。
 僕は僕の居場所を手に入れ、そしてクラブを支えていきたい。」


「僕は持つ多くの経験というものを、若い選手のために用いる事ができる。
 その経験をローマの為にベストに使える事を願っているよ。」

「ラツィオと戦う時の為、そしてその時にローマが勝てるように、自分の力を100%を与える為、準備をするつもりだ。」

「ローマはヨーロッパでも最高のクラブの一つだ。
 僕はセリエA、そしてチャンピオンズリーグで何ができるのかを示す為に、今ここにいるんだよ。」


「僕は勝つ事を愛している。」
                              

以上


背番号25




























若き時から多くの経験を培ってきたこの選手が、今のローマにどれだけ手助けをしてくれるのか?

そして彼の大きな成長にも期待するシーズンとなるでしょう。

素晴らしい選手となり、是非とも今季終了後にローマでの完全移籍を勝ち取って欲しいものです。



Forza Wojciech! Forza Roma !


2015年7月17日金曜日

15/16シーズン ☆☆ASローマ補強 番外編 MFダニエル・デ・シルバ★★


15/16シーズンも始動し、各クラブ様々なプレシーズンを過ごしている中、ローマはICC(インターナショナル・チャンピオンズ・カップ)と呼ばれるギネス主催の国際大会へ参加をする為に、今年の開催国であるオーストラリアで現在キャンプツアーを行っています。

南半球に位置するオーストラリアの現在の季節は冬。

選手たちも長袖と冬用のトレーニングウェアでトレーニングに励んでいる最中です。

さて、そんなオーストラリアから2シーズン前にとある若者をローマは獲得をしました。


■ASローマ 15/16シーズン夏の補強 

 ダニエル・デ・シルバ 
パースグローリーのユニフォームを纏ったデ・シルバ

















●選手の詳細

国籍    オーストラリア


出生    パース

生年月日 1997年3月6日(現在18歳)

前所属先 パース・グローリー

起用箇所 OMF,RWG,LWG

利き足   右足


●昨シーズンの成績

・Aリーグ 
出場数:18試合/ゴール数:3G/


・シーズン総スタッツ
出場数:18試合/ゴール数:3G/


●選手の特徴/スタイル 

1.バイタル前がメインポジション

2.典型的なトップ下の選手で視野が大変広い

3.ノールックでの正確なパス



●契約の詳細


・移籍金
完全移籍:250万€ 

※Aリーグの14/15シーズン終了後、15/16シーズンよりローマへ合流



■ダニエル・デ・シルバという選手について












「まさに神童 オーストラリアサッカー界最高峰のヤングプレイヤー」

元々はオリンピック・キングスウェイというオーストラリア西部に有るクラブのユースチームがキャリアのスタート。

その後、オーストラリアサッカー界の若手育成と発達を目的として作られた、国立機関として運営される「サッカーウエストナショナルトレーニングセンター」への転籍をし、オーストラリアサッカー界の未来を担うアカデミー生として1年間の教育を受ける事になる。

アカデミーでの教育を受けた後、元々キャリアを始めた頃より国内で多くの注目を受けていた選手という事もあり、数多くのオファーがきた中、デ・シルバ本人の地元である西オーストアリア州 州都パースのクラブで Aリーグに所属していた パースグローリーFCへの入団を決意するに。

2013年3月2日。パースグローリーはリーグ戦内にてシドニーFCと対戦。この試合後半開始10分頃、彼はAリーグという舞台でデビューを果たす事になる。この時デ・シルバの年齢は15歳。
彼はAリーグ史上最年少出場
記録を記録するという偉業を達成した。

その後13/14シーズンはトップチームでの出場試合10試合。
同クラブ内にてユースとトップチームを行き来する日々が続いた。

このシーズンからローマは彼に対する興味を示すようになる。

無論"Aリーグ史上最年少出場記録"という記録は、瞬く間に世界中のフットボールクラブ関係者の耳に情報として入るようになり、注目の的となる事に。

長きにわたる交渉の末、13/14シーズン終了前の6月には、ローマが彼を獲得する事となった。

出場時間と出場機会の確保の為、クラブ間にて14/15シーズン終了後にローマへ加入する事を条件として契約が締結する事となった。


14/15シーズンでも彼は出場試合数を伸ばし、18試合出場に対して3Gをマークしている。
既にこのシーズンにはデ・シルバのユニフォームはクラブ内外に問わず数多く売れており、その甘いマスクと実績から、ローマへ移籍をする事になった中でも、彼は国内のサッカーファン・パースグローリーサポーターの両方から多大な期待と支持を受ける選手となった。


まさにオーストラリアサッカー界のホープである。

















ナショナルキャリアでも彼はU-17/U-20/U-23 と各カテゴリーで飛び級扱いで召集を受けている。

中でもU-20(召集当時16歳)オーストラリア代表としてU20ワールドカップ杯に出場を果たし、ゴールをマーク。
わずか16歳の少年がコロンビア戦にてMOMの活躍をした事は更に彼の名を高める事となった。

オーストラリア代表ユニフォームを身に纏う 
コロンビア戦 MOMのデシルバ



















パースグローリー退団前にクラブより贈られた記念品
















新天地イタリアでの挑戦!その前に・・・?

メルボルン市内にてチーム合流後のデ・シル








しかしシーズン開幕直後にすぐにローマへの合流をしてはいなかった。
というのも、今回のローマのオーストラリアツアーから改めて合流をする事になっていたからだ。

7月16日(木)よりメルボルンにて行われる練習から彼は初めてチームに合流を果たす事になる。
そして今一番オーストラリアサッカー界を賑わすのは彼の"ローマでのデビュー戦"である。

7月18日(土)より、ローマはICC初戦の対戦相手として、レアル・マドリードとの対戦を控える。

この試合、オーストラリアメディアではデ・シルバの出場が大いに期待されている。
ローマでのデビュー戦がレアル・マドリード戦となれば、大いに盛り上がるニュースになるだろう。


チーム合流前にデ・シルバがメディアに語った。


デ・シルバ

















「僕は準備ができているよ。母国でレアル・マドリードやマンチェスター・シティ相手にローマのプレイヤーとして出場する事ができたら良いね。」

「だってロナウドのような選手がピッチに立っている中、僕は唯一チームで18歳そこらとかだよ。そんな状況でデビューなんてできたら本当に信じられないね。」



「僕にとってローマでのデビューは夢だった。夢が叶う時がくるんだ。でも未だ試合に出れなくたって良いんだ。僕にとって本当に貴重な経験になる事を楽しみたいって思うからね。でも実際にはとても緊張しまくってるよ・・・笑」


若者らしい、可愛い感じが醸し出されてますね。
期待と夢に溢れているコメントを残しています。


そんなデ・シルバについて、トッティとガルシア先生がICC前の記者会見で語っています。


トッティ

レアル戦前のICCの会見にて

















「ダニエルにはすんげぇ才能があるよ。屈強な足元の技術とボールへの嗅覚はゴールを狙う為にあるもんだね。

あいつは素晴らしい選手になれる。俺達は見守っていくさ。」


ルディ・ガルシア


レアル戦前のICCの会見にて


















「ダニエルは成長する必要がある。しかし偉大な選手との練習は彼を助けるだろうね。
私たちはこの先彼がどれだけ大きな成長を遂げられるか、見守る必要があるよ。」


■これからローマで求められる事

プレシーズンを終えた後は、先ずプリマヴェーラへの配属が今のところ既定路線となっています。
オーストラリアツアーがたまたま開催地だったとは言え、同じくプリマヴェーラから呼ばれた選手達と同じく、シーズンツアーに帯同されている事を考えると、やはり期待の大きさが見受けられます。

デ・シルバの主戦場であるOMF(トップ下)は現在のプリマヴェーラ内でも飽和しています。

先ずはカルチョへの適応とイタリア文化に慣れさせる為にも、自分達クラブの手の中で育成していく事になるでしょう。


無論、デ・シルバにとってもこれは大きなチャレンジになります。

オーストラリアでは多くのファンとサポーターに愛されてきた中、たった18歳の若者が見ず知らずの土地で鳴り物入りのように入ってくるという事への、周囲からのプレッシャーは半端なものじゃないはずです。更に近い将来のオーストラリア代表のエース筆頭候補としての、彼への注目度は一層の事高まるでしょう。

プリマヴェーラ監督であるアルベルト・デ・ロッシにも、彼を成長させていく大きな義務があります。

今後のデ・シルバの活躍と成長を祈りたいものです。

彼にとってのキャリアがローマで大きく開かれる事を期待しています。


Forza!Daniel!


2015年7月7日火曜日

15/16シーズン ☆☆ASローマ補強第1号 FWイアゴ・ファルケ・シルバ★★

■新シーズン開幕!

さて新シーズンがついに幕を開けました。
R.ガルシア政権となって3季目の幕開けです。

昨季のカンピオナートの成績は勝ち点70で第2位でフィニッシュ。
この事から今季のCLストレートイン圏内の確保が約束され、昨季を終える事となりました。

悲願のヨーロッパコペンティションであるCLへの復帰を果たした14/15シーズン。
14/15シーズン開幕前は

「ヨーロッパで今一番美しいサッカーをしている」
「ローマの攻撃的なサッカーは欧州一に値する」
「今季ユヴェントスを抑え、スクデットを取るのはローマだ」

あ~なんとも聞こえの良い話題ばかり!

中には「久しく帰ってきて欧州と国内を両立できんのかよ」という声もありました。

などなど破竹の快進撃を続けた13/14シーズンでの結果と試合内容を受けて、14/15シーズン開幕時はローマは欧州で最も注目されたチームと言っても過言ではありませんでした。

そして14/15シーズンがどういう結果で終わったかは割愛です!

何とかカンピオナートでは2位の座を確保した成績を収めましたが、内容はティフォージの納得するものではありませんでした。

どんな事でも「良くなかった」「失敗した」「次に繋げたい」となれば、足りないものを補いますよね?

という事で超当たり前の事ですが、ローマも今季しっかり補強します!

14/15シーズンで足りなかったものを補う為に。



■ASローマ 15/16シーズン夏の補強 

イアゴ・ファルケ・シルバ  

公式発表声明文&ローマ初出勤時のファルケ

●選手の詳細

国籍    スペイン


出生    ガリシア州ビーゴ県

生年月日 1990年1月4日(現在25歳)

前所属先 ジェノアCFC

起用箇所 右ウィング・左ウィング・セカンドトップ・インサイドハーフ

利き足   左足


●昨シーズンの成績

・セリエA 
出場数:32試合/ゴール数:13G/アシスト数:5A


・コパイタリア
出場数:1試合/ゴール数:0/アシスト数:1A

・シーズン総スタッツ
出場数:33試合/ゴール数:13G/アシスト数:6A


●選手の特徴/スタイル 

1.ボックス内、バイタル前を一番の得意ポジションとしている

2.ウィンガーという起用箇所以上にセカンドトップとしての色が極めて強い

3.中盤としての起用経験も豊富な為、ユーティリティ性が高い



●契約の詳細


・移籍形態
買取り義務付きレンタル移籍(1年間)
※公式戦1試合出場で買取り義務が発生。
自動的に 2020年6月30日までの5年契約となる。


・移籍金
レンタル移籍金:100万€  
※買取り義務付きオプション行使時:500万€+ボーナス100万€



■イアゴ・ファルケという選手について

「スペインサッカー界最高の若手の一人という世界から、血も滲むような6シーズンへ」


バルセロナB時代

















レアル・マドリードのカンテラ出身の選手で、その後はバルセロナのカンテラへと籍を移す。

バルセロナのカンテラでは7年間を過ごし、2008年バルセロナBがリーガ2部への復帰を果たしたと同時に、ファルケも才能と実績を買われバルセロナBの選手として昇格を果たす事になる。

開幕戦にて早々にゴールをマークするものの、その当時バルサBを率いていたジョゼップ・グアルディオラがトップチームの監督に就任し、後任としてルイス・エンリケがバルサBを引き継ぐ事に。

ここが彼のターニングポイントの一つで、ポゼッション主義を貫くエンリケの戦術スタイルや監督本人との人間関係が上手くいかず、そのシーズン内で即座に戦力外通告を受ける事になる。


ナショナルキャリアでは、U-17時代にUEFAU-17 欧州選手権で優勝メンバーの一員の中でも、中心選手の一人であった。(ボージャン・クルキッチとは同年代の同期である)

スペインアンダーカテゴリー時代





















才能や評価は大変高かった為、バルセロナを出る際には多くのクラブがファルケの獲得に向けて本腰を入れた。
その後キャリアの身を置く事になったのは、イタリアの名門ユヴェントスFC。

獲得当時はトップチームへは昇格せず、プリマヴェーラへの在籍となる。
プリマヴェーラ内では早々に主力として定着し、その年、ユヴェントスプリマヴェーラは国際ユーストーナメントにて優勝を果たす。

同シーズン内にはトップチームにも呼ばれ、初デビューを飾ったが、その後はプリマヴェーラとトップチームを行き来する生活が続き、出場機会の確保の為から10/11シーズンにはスペインのビジャレアルBへレンタルで移籍をする事になる。

ビジャレアルBでは11Gをマークする結果を残したが、買取りオプションは行使されず、シーズン終了後にはユヴェントスへレンタルバックをする事になる。

11/12シーズン。イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーFCへレンタルで移籍をする事になる。

しかしシーズンの冬のマーケットにて、サウサンプトンFCへローンに出される事となる。

12/13シーズン。サウサンプトンFCで結果を残せなかったファルケは、再びスペインへ戻る事に。
当時リーガ2部のUDアルメリアへ1年間のレンタル移籍をし、シーズントータル8G11Aの活躍を果たし、結果というものを残した。

13/14シーズン。スパーズの大型投資と大量補強の影響もあり、すぐさまイングランドへの復帰を果たす事はできなかった。そして当時リーガ1部のラージョ・バチェカーノへ1年間のレンタル移籍をする。成績としては前シーズンに比べて大きく見劣りをする、28試合と3Gの実績となる。そして同シーズン中にラージョは買取りオプションの行使をしなかった。

14/15シーズン。ついにトッテナム・ホットスパーから戦力外通告を受けたファルケ。

イタリアの古豪 ジェノアCFCが完全移籍でファルケを獲得。

ここまでが主なキャリアの経歴となっている。


「再びイタリアの地へ。ジェノアでの華麗なる大復活」



14/15 ジェノア時代

















救いの手を差し伸べたのは、イタリアが誇る古豪ジェノアCFC。

これまで数多くのクラブでファルケはLWGとして起用されていた。
才能と実力の高さを夏のマーケットで獲得時から確信していた、ガスペリーニ監督。

14/15セリエAの開幕時もガスペリーニは当初ファルケをLWGで起用。
※これまでのキャリアでも幾度かLWGとして起用された事はあったが、固定される事は無かった


身体の使い方が非常に上手だった為、左サイドで利き足(左)から繰り出される逆サイドをつくシュートが持ち味だった事から左サイドでの起用が当たり前のようになっていた。

しかしガスペリーニはそこに修正を加え、本来左足が活きる場所である右サイドにファルケの位置をコンバート(というより基本に立ち返ったポジション起用を行った)した。

するとコンバート直後こそは中々結果を残す事ができなかったものの、すぐさまRWGで結果を残し始める事になる。

LWGでの期間が長かった事から、RWGにポジションを変えた際、逆足である右足の使い方も非常に向上している事が大きな武器となった。コンバートした事により、利き足本来の利点が活かされる事に加え、右足を使う事によって様々なシーンに対応できる選手となった。

そしてシーズンを終了時には、クラブ内でトップスコアラーとなり、自身のプロキャリアの中でもシーズン累積得点数が最高の数字をマークする事となった。

その活躍から、セリエA内でも大きな注目を浴びる事になる。
その後、2015年7月1日 ローマへの移籍が発表される事となった。


元々は名門バルセロナカンテラの出身で、バルサBに昇格した時やユヴェントスへ移籍をした時には"スペインサッカー界最高の若手の一人"とまで評価を受けていたファルケ。

ユーヴェプリマでの活躍がキャリアの一度目の山を迎え、その後はスペイン→イタリア→イングランド→スペイン→イタリアと、ユーヴェプリマ時代を入れると7シーズンの間で8回以上も移籍を繰り返す事になっていた。

18歳からのプロキャリアが始まって、目まぐるしい環境の変化を経験し、多くのクラブを渡り歩き、多くの挫折を味わってきた。


再び訪れたイタリアの地で素晴らしい再生と復活を果たし、25歳というこれからキャリアの絶頂期を迎える直前に、ローマというクラブの一員となる事となった。

そんなファルケさん。トレーニングキャンプ中での入団会見で熱い想いを語っています。



■会見時のインタビュー全文
5日午後 キャンプ地ピンツォーロでの会見



















僕はローマに来れて幸せだと、監督とクラブのメンバーに伝えたよ。

ローマで試合に出られる事が今からもう待ちきれないね。

この2年間はユヴェントスが常に上にいた。
僕たちの目標はそれに到達する為の努力をしなければならない事だ。

僕がこれまで良い仕事をし続ける事ができた事に対して、ジェノアというクラブには本当に感謝をしなければならない。
この偉大なクラブでプレーをするチャンスを得る事ができたのだから。

ローマのようなビッククラブがどのような選手を欲しいのか、僕は理解している。
僕自身クラブに奉仕し、しっかりプレーする事ができると確信をしているさ。

僕のポジション?最近ではガスペリーニは僕を右WGで起用したね。
でもガルシアが求める事を僕はするつもりだ。

ローマのような偉大なクラブでプレーする事への圧力はもの凄いものだけど、それでも素晴らしい時間が待ってるさ。

僕がイタリアに着いた時(昨年)は誰もが僕に疑問を抱いていたけど、僕はジェノアで上手くやる事ができたし、ローマでも同じ事ができるという事を証明してみせる。

僕の個人的な目標?勝つ事だね。
ローマのようなクラブは常にトップに居続けなければならない。

僕たちは自分自身の事に集中して、改善に努めていかなければならない。

僕たちは偉大な歴史を持つクラブで、競争力を持っているのだから。


■これからローマで求められる事


背番号14番。入団会見時

















これは私の持論になります。

獲得の背景には、ローマが今季バイタル前とボックス内でのプレーというものに注力しなければならないという観点からの補強だと考えられます。

4-3-3という基本フォーメーションで戦ってきた2シーズンもあってか、現在所属している前線の選手にはWGというポジションに値できる選手は多く存在しています。

(EX:リャイッチ、ジェルビーニョ、イトゥルベ、イバルボ、フロレンツィ)

しかしWGという選手である以上、サイドラインからの中央(ボックス内orバイタル前)への侵入は求められる動きの一つになってきます。どの選手もバイタル前まで動く事ができても、その地点からのシュートの精度が低かったり、ボックス内⇔バイタルの両面を見ながら、前線の一枚として擬似的なストライカーとしてもゴールを狙える選手というのは誰一人として居ませんでした。(中でもイトゥルベが今後候補になる可能性は高いと考える。)

そこでバイタル前とボックス内両面で働ける選手が必要となってきます。


そこでWGで有りながら、STとしてもサイドから中央で攻撃のポイントを自ら作る事のできるファルケの出番という事です。


関連メディアの予想では、今季ガルシアは2つのフォーメーションを併用していくとされています。


十八番の4-3-3は一つとして、4-3-1-2などの中央に枚数を特化し、ストライカー個々の能力を活かしての2トップに得点を委ねる陣形も予想されます。

ファルケはユーティリティ性の高い選手でも有るので、柔軟に対応できるところは大きなポイントの一つになるでしょう。



戦術の話とは離れて、個人的に面白いと思うのは、やはりスペイン人という国籍の面です。

かつて11/12シーズンにローマはアメリカ資本を投入した新体制になり、ルイス・エンリケの元、バルセロナ仕込みのポゼッションサッカーをイタリアで展開しようとしていました。


そこでエンリケはスペインから、ボージャン・クルキッチ、ホセ・アンヘルの当時スペイン若手でも賞賛を受けていた2人を補強しました。

しかしシーズンの結果は見事に失敗。
獲得されたボージャンやアンヘルもパフォーマンスを発揮する事ができませんでした。
"スペイン人はローマで活躍できない"というレッテルまで貼られる始末となりました。
そんな中、今回ローマに来るファルケはかつてエンリケに捨てられた選手です。

この選手がローマで活躍できれば、何かこうギャフンと言わせられるような気がしますね!笑

そして歴代3人目のスペイン人選手としても、これまでの二人とは違ったどういうキャリアをローマで辿っていくのかという点も楽しみです。


現在ローマはメインストライカーのCF獲得に躍起になっている最中です。


同時に獲得の発表がされたベルトラッチ(現在はミランへ完全移籍)の話題で影に隠れている感が否めませんが、きっとローマの力になってくれる選手であってくれる事を期待したいですね。

元天才雑草魂キャリアのファルケを全力で応援しましょう。


Forza!Falque!


キャンプ地へ向かう前の電車内にて

ブログ再開のお知らせ




<<ご挨拶>>
皆様お久しぶりでございます。
そして初めての人は初めまして!

私は一極東のローマファンです。
普段は何処にでも居るようなサラリーマンをやっています。

出身地は石川県の金沢市の出身です。
18歳になり、大学進学をきっかけに6年前に上京。
4年間都内にて生活をした後、現在は埼玉にて活動拠点を移し、
生活をしています。

趣味は特にありませんが、古典絵画の画集を収集したり、観に行く事は昔から好きです。
あと最近はサンリオキャラクターのポムポムプリンにはまっています。
(グッズとかそういうのは買わないですよ!?笑)

そんなどうしようもない私ですが、昔々ちょこちょこと、このブログをやっていました。

1年~1年半前の社会人になる前後を機に、忙しかったりなんだりで一度はローマからすこーし離れてしまいました。

最近ローマ熱がなんと久しくUPしてきているので、ブログを通じて書きたい事を書いてみようと思います。


主にメインはツイッターばっかり使っているのですが、私がブログやツイッターで書いたり呟いたりするのは、(暇だからっていうのもありますが笑)書いた事は自分の頭の中にしっかり残る。印象付けられる。大事なものなる。何より自分の観戦意欲やローマに対するモチベーションを保つものでもあるのです。

なので思った事をシュッと簡単な事を書いたり呟く事が逆に苦手で、いつも割と長文になったり140文字MAXまで呟く事で沢山です。


とは言うもののそう書く事も無いので、思いついた事を不定期でUPしようと思います笑。

有益な情報などは一つも書いていませんが、ローマファンは勿論、カルチョファン、サッカーファンの皆様にも暇な時適当にご覧頂ければ自分としても嬉しく思います。

のんびーり、ゆるーく、楽しくやっていこうと思うので、暖かい目で見守っていただけると喜びます。

宜しくお願い致します!!!



「Forza ZIBUN!!  Forza Roma!!」





2013年7月15日月曜日

ASローマ新加入選手:メディ・ベナティア(26)

7月14日(日)日本時間午前4時41分

ASローマ公式HPよりメディ・ベナティア(26)の来季加入が正式に発表されました。

13/14トーレニングウェアのベナティア

契約詳細

移籍金額:€1350万

※契約詳細の中身にローマ側より保有権半分譲渡の項目
FWニコラス・ロペス(19)共同保有権250万€譲渡
MFヴァレリオ・ヴェッレ(19)共同保有権100€譲渡

年俸金額:€90万以上?

契約年数:2018年6月30日まで(5年契約)
契約区分:完全移籍


このような条件でまとめられているとされています。


Medhi Benatia/المهدي بنعطية
(メディ・ベナティア)

ベナティア

















   国籍:フランス/モロッコ


   出生:フランス・エソンヌ県エヴリー


生年月日:1987年4月17日(26歳)


前所属先:ウディネーゼ・カルチョ


起用箇所:DF(CB)

 利き足:右足


要所となる特徴

・最終ラインよりも前での果敢なプレッシング

・ボールインターセプト能力の高さ

・リトリートよりもフォアチェックを得意とするような動き

□ 獲得した背景

トレーニング中
















●選手について

モロッコ系移民のフランス人。フランスが国家プロジェクトとして国内の有望若手を育成する「クレールフォンテーヌ国立研究所」より輩出された選手の1人でも有名な彼。

クレールフォンテーヌを卒業後、ギャガンの下部組織を経て、トゥールFCやクレルモン・フット等のフランスのクラブで活躍。フランス方面で5年間の活躍をした後、10/11シーズンにセリエA ウディネーゼ・カルチョに移籍を果たします。

そして10/11、11/12シーズンの2シーズンを通し、セリエA内において大きく飛躍しそして活躍。
11/12シーズンが終わった当初、イタリア各地からの評価は「セリエA 最高のDFの1人」と称されるまでの実力者へと成長をしました。

そんな中、昨シーズンのプレシーズン期間中に怪我による戦線離脱が決定。
そして12月中旬まで回復→再発→回復の繰り返しをした事により、事実上約5ヶ月間長期離脱を強いられる事に。

12月以降はカンピオナート後半戦をこなし、12/13シーズンはリーグ戦19試合出場となりました。


●市場の動向

セリエA内での実績と活躍が認められ、昨シーズンの夏のメルカート市場においては移籍市場を賑わせる人物の一人にもなっていました。

残留後、不運にも昨シーズン怪我より約半シーズン分の出場機会が無かったベナティア。
リーグ後半戦からは怪我より復調しつつ、今年の春頃にはイングランド方面のクラブ何チームかからは再び実際に獲得に向けた話等があったようですが、国内で活躍をしていく事が彼にとって優先事項だったという事が、2013年7月14日の会見で明らかになりました。

ルディ・ガルシアが就任するよりも前の5月、彼を監督としてローマで就任させようと考えていたワルテル・サバティーニSDは、ルディ・ガルシアが構築するで有ろうDFラインのメンバーとして同じフランス語を扱え、セリエA内において信頼できる実力を持った選手としてベナティアを敢えて事前に確保しようとしていたという話も有ります。

そんな中彼のローマ行きの話は今年の5月末頃より浮上し始めました。
実際にはクラブ間での基本合意締結は6月中旬には概ね決定をしていましたが、ローマ側よりウディネーゼへ保有権を譲渡する2選手の契約詳細を詰めるのに時間がかかったという事と、その譲渡する選手の中でもフランチェスコ・グイドリン自らが獲得を望んだと言われるニコラス・ロペス(19)の代理人とウディネーゼ ポッツォ会長との間で、慎重な話し合いが行われたが故という点も有るようです。

そして2013年7月14日(日)日本時間午前4時41分。
FIFA U-20 ワールドカップ決勝戦「u-20フランス×U-20ウルグアイ」においてウルグアイ代表として出場していたニコラス・ロペス。できる限り移籍の正式決定が決勝戦に何かしらの影響が与えられないよう、ローマ側は試合が開始された後に公式HPよりメディ・ベナティアの獲得を正式に発表しました。


●これからローマで

背番号17番に決定!























先日のティン・イェドヴァイ(17)の獲得に続き、正式に彼の獲得が決定しました。

セリエA内での高い実績と評価を持つ、まさに「実力者」です。

確実に計算できる選手として、彼はルディ・ガルシア政権のDFラインにて非常に高確率でファーストチョイスに選ばれる事になると考えても良いでしょう。

7月15日現在、同じく現在ローマのDFで有る マルキーニョス(18)の去就が騒がれる中、マルキーニョスが仮に放出される事になった時、今以上にロマニスタからのベナティアに対するディフェンダーとしての期待と願望は更に高まる事になりそうです。


7月15日現在、12日より行われているローマサマーキャンプの練習に現在も参加中です。
14日に行われた会見においてベナティアはこのように意気込んでいます。(部分的抜粋)


「私は勝つためにローマに来た。」


「私達にとって、相手を信頼する事が必要で有り、私は私のチームの為に最善を与えたいと思うディフェンダーで有ると思っています。」

-対戦相手について尋ねられて

「イブラヒモビッチがいないよね。身内の中ならオズヴァルドは偉大な素質を持ったストライカーで、トッティは明らかに一人でゲームを変える方法を知っている完全なストライカーだ。だけれでも私は誰も恐れていないよ。」


記者会見中のコメントの中でも、非常にコメントとして頼りがいのある部分だけを抜粋してみました。
抜粋部分はコメントの10%程なのですが、その他にも非常に力強い言葉を残しています。



では最後にベナティアのプレー動画をリンク先に張らせていただき、もうご存知の方も沢山いらっしゃるとは思いますが、是非改めて彼のプレーを見ていただければなと思います。




そして今シーズン、ローマのDFラインの中核を担う彼に最高の敬意と期待を送りたいと思います。

Forza!Benatia!
Forza!Roma!